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ホーム > お・い・し・い・エッセイ No.160 世界の菓子切手 村岡安廣 8

世界のお菓子切手(8)チョコレート(スウェーデン)

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10枚で構成される切手帳と、裏面(左)。
4つの図案(上)が描かれている。

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自動販売機で買えるコイル(ロール)切手

 今年のバレンタインデーはいかがでしたでしょうか。
 切手の世界では相変わらずのチョコレート人気で、スウェーデンでは2007年9月にチョコレートを紹介する5種の切手が登場しました。
 切手発行案内には、数千年間、秘密の飲料としてマヤやアステカの人々に愛飲されたチョコレートがスペイン人のおかげで今や最も愛される嗜好食品の一つとなった歴史が紹介されています。メキシコや中央アメリカではココアの実が飲料として用いられ、モンテズマ王はその熱い飲み物を1日に50杯飲んだといわれます。欧州人がこの飲物を知ったのは1521年のメキシコでありました。
 5種の切手の形態は、1種がコイル(ロール)切手で、自動販売機で購入できる帯状になっています。また、4種は10枚で構成される切手帳となっており、この10枚にはココアの実と飲料が2枚ずつ、その他が3枚ずつとなっています。
 図案はココアの実、ココア(チョコレート飲料)、デザートチョコレート、キャンディの切手帳4種とプラリネのコイル切手1種で、4色平板印刷の素朴なデザインが、スウェーデンの若きデザイナー、エスパー・オルフォルス氏によって描かれています。額面(料金)はなく、この場合、第一種無額面(5・5クローネに相当)切手として取り扱われます。
 スウェーデンでは実用的な切手帳やコイルの形態で切手を製作することが伝統となっていて、今回の切手も同様となっています。切手帳はすぐ封筒に貼ることのできる糊付き、すなわちセルフ糊で、とても便利な形式です。

村岡安廣