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ホーム > お・い・し・い・エッセイ No.171 世界の菓子切手 村岡安廣 18

世界の菓子切手 村岡安廣(18)「長崎街道」は砂糖の道

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 おかげ様で全国銘産菓子工業協同組合は昨年(平成22年)めでたく60周年を迎えることができました。
 昭和25年11月10日、東京・日本橋三越本店において全国銘菓展が開催されました。その折の、お客様の熱狂的な反響に刺激された福岡の百貨店の食品担当部長の発案により、九州銘菓展が企画され、併せて九州銘菓協会が発足しました。今年は九州銘菓協会発足60年の記念すべき年にあたります。
 折しも北部九州の近世の主要道であった長崎街道が砂糖街道(シュガーロード)として脚光を浴びています。近世の世界への窓であった長崎は6万人の人口のうち1万人が中国人で、多くの菓子技術や砂糖が伝来しました。将軍家への献上砂糖もこの地域の島原藩、佐賀藩、小城藩、蓮池藩、福岡藩、杵築藩等が全体の9割を占め、九州はまさにシュガーアイランドであり、菓子王国でもあったのです。
 平成10年に発行されたふるさと切手「長崎街道」には、街道の出発点であった長崎出島の図や小倉城、そして途中の佐賀藩が開発した蒸気機関車や宿場であった鳥栖の現代の高速道路等が示されています。
 地図は伊能忠敬が制作したもので、近世の長崎街道諸藩には多くの中国菓子、南蛮菓子の記録があり、今もなお菓子の伝統が生き続けています。

村岡安廣