菓子屋のAnother Work

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一六本舗のAnother Work 伊丹十三記念館

  私と伊丹十三さんとのお付き合いは、「一六タルト」のテレビCMを作ってもらったことに始まります。やがて、映画の製作を援助してほしいという依頼に応えて資金を出すことになり、でき上がったのが『お葬式』でした。この映画の大ヒットにより、伊丹さんと、奥様で女優の宮本信子さんと私は、3人で伊丹映画を作り続けていくことになります。菓子屋の私にとって、予想もしなかったもう一つの人生が始まりました。この記念館も、そうした不思議な人生の出会いの延長線上に誕生したものです。
『伊丹十三記念館』の館長は、宮本信子さんです。宮本さんが「ここは、伊丹十三の家です」と、おっしゃっているように、おおらかで温かな雰囲気を大事にしています。中庭に立つカツラの木と、あちこちから顔を出している黄色のタンポポなどは、その象徴でしょう。
 一方、十三の名前にちなんで13のコーナーに分かれた常設展示では、多分、どなたもが、その多才ぶりに、またその仕事の上質さ、完成度の高さに驚かれることと思います。商業デザイナー、俳優、エッセイスト、映画監督……どれもが本物で、一流でした。
 伊丹さんは、みんなが、喜ばせようとがんばってしまうような人でした。つまり、笑顔のいい人だったのですね。ちなみに、ここ松山は伊丹十三が高校時代を過ごした土地で、父・伊丹万作(映画監督・脚本家)の故郷です。
 ぜひ、伊丹さんに会いに松山においでください。お待ちしております。

 玉置 泰(一六本舗 社長/ 伊丹十三記念館 館長代行)



■ 伊丹十三記念館(いたみじゅうぞう きねんかん)

住所:愛媛県松山市東石井1丁目6-10
TEL:089(969)1313
開館:10時〜18時(入館は17時30分まで)
休館日:火曜日(火曜日が祝日の場合は翌日)、年末年始、保守点検日
入場料:大人800円、高・大学生500円、中学生以下無料


左手の車庫には伊丹の最後の愛車、ベントレーが展示されている

■ 『伊丹十三記念館』ホームページ

http://itami-kinenkan.jp/