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菓子屋のAnother Work(10) No.194

赤福は宝永4年(1707)の創業。伊勢神宮の神域を流れる五十鈴川のほとりで、「赤福餅」一筋に、お伊勢参りの皆様をお迎えして参りました。
本店の建物は明治初期のものですが、その隣に昭和62年に建てたのが「五十鈴蔵」。蔵造りではありますが、ご参拝の皆様に伊勢のことを少しでも知っていただくことで“荷物にならないお土産”になればとの願いを込めて創設したギャラリーです。
開館当初は、木彫り人形を使って、「伊勢神宮のおまつり」と「式年遷宮のおまつり」をご紹介しておりました。その後、平成18年には当店の創業300年に合わせて「赤福の歴史展」を約1年開催。さらに平成21年から26年9月までは「日本人のこころ〜神宮の森〜」と題した写真展を開催してきました。
そして、昨年12月から始まっているのが「餅街道ものがたり展」です。ピーク時には年間500万人ともいわれる人々がお伊勢参りをしていたという江戸時代、桑名から伊勢までの道には、旅人のお腹を満たし、疲れを癒す多くの餅屋が生まれ、参宮道は、別名「餅街道」と呼ばれたほどでした。
本展では、当時のお伊勢参りの様子や、今も人々に親しまれている名物餅のご紹介を通して、お伊勢参りがはぐくんだ餅文化を広く紹介し、伊勢の心、そして美しい日本のおもてなしの心をお伝えしております。
伊勢の地に生まれた、他に類をみない独特の文化をご覧いただけたら幸いです。
山口 陽子(赤福 広報)