菓子屋のAnother Work

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赤福のAnother Work 五十鈴蔵

 赤福は宝永4年(1707)の創業。伊勢神宮の神域を流れる五十鈴川のほとりで、「赤福餅」一筋に、お伊勢参りの皆様をお迎えして参りました。
 本店の建物は明治初期のものですが、その隣に昭和62年に建てたのが「五十鈴蔵」。蔵造りではありますが、ご参拝の皆様に伊勢のことを少しでも知っていただくことで“荷物にならないお土産”になればとの願いを込めて創設したギャラリーです。
 開館当初は、木彫り人形を使って、「伊勢神宮のおまつり」と「式年遷宮のおまつり」をご紹介しておりました。その後、平成18年には当店の創業300年に合わせて「赤福の歴史展」を約1年開催。さらに平成21年から26年9月までは「日本人のこころ〜神宮の森〜」と題した写真展を開催してきました。
 そして、昨年12月から始まっているのが「餅街道ものがたり展」です。ピーク時には年間500万人ともいわれる人々がお伊勢参りをしていたという江戸時代、桑名から伊勢までの道には、旅人のお腹を満たし、疲れを癒す多くの餅屋が生まれ、参宮道は、別名「餅街道」と呼ばれたほどでした。
 本展では、当時のお伊勢参りの様子や、今も人々に親しまれている名物餅のご紹介を通して、お伊勢参りがはぐくんだ餅文化を広く紹介し、伊勢の心、そして美しい日本のおもてなしの心をお伝えしております。
 伊勢の地に生まれた、他に類をみない独特の文化をご覧いただけたら幸いです。

山口 陽子(赤福 広報)

かつて米屋が製造していた羊羹の包み紙。「空港羊羹」や「三越の羊羹」など珍しいものも。 戦前から戦後にかけて成田で製造販売されていた羊羹のパッケージ。成田が羊羹の町であることがよくわかる。

戦争中のパッケージ。 明治時代の米屋の羊羹のパッケージ。 かつて作られていた缶入りの羊羹。デザインやロゴの斬新さに驚かされる。

1階の企画展示室。写真は、昨年開催された第24回企画展「和菓子の掛け紙・包装紙展」。全国銘菓加盟店の協力を得て、すばらしい意匠の掛け紙や包装材が一堂に集まり、大きな反響を呼んだ。 2階の常設展示場。一角に初代・長蔵の部屋を再現したコーナーなども。

五十鈴蔵

住所:三重県伊勢市宇治中之切町26
開館:平成29年3月末頃まで(予定)
    午前9時〜午後5時(最終入場は午後4時30分)
    年中無休 入場無料
ホームページ
http://www.akafuku.co.jp/fun/mochikaido/
五十鈴蔵は、赤福本店・五十鈴茶屋本店横にある
赤福