明治26年(1893)創業の栗菓子店、竹風堂。現在13ある直営店は、すべて長野県内に所在しております。
本店がある小布施町は、人口1万1千人の小さな町ですが、江戸時代からの特産である小布施栗は、徳川三大果の一つと称えられたほどで、現在も栗の製菓に関わる菓子店が数社に及んでいます。また、江戸末期には80歳を超えた浮世絵師・葛飾北斎が再三訪れ、世界的に高い評価を受けている祭り屋台の天井絵「波の図」をはじめ数々の傑作を描いた地としても知られています。
本業と併せて地元に文化的貢献を果たすことを企業理念とする当社が、本店の中庭に建つ明治〜昭和初期の土蔵3棟を改装して「日本のあかり博物館」を開いたのは昭和55年(1980)のことでした。コレクションの中核をなしている「北信濃およびその周辺地域の灯火具」963点が文化庁から国の重要有形民俗文化財に指定されたことがきっかけです。
あかりの道具は、明治の中頃に電灯がともるまでの間、たき火に始まり、あんどん、ロウソク、提灯、ガス灯、石油ランプなど様々なものが考案されてきました。「日本のあかり博物館」は、それらの貴重な民俗遺産を収集・公開・展示する日本初の古灯火具専門館です。ぜひ、いにしえのあかりの世界にお越しください。
なお、館では特に子どもたちの来館を歓迎しています。火起こしやキャンドルづくりのワークショップなどにも力を入れています。
(竹村猛志 竹風堂相談役)
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