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ホーム > お・い・し・い・エッセイ No.163 世界の菓子切手 村岡安廣 11

世界の菓子切手 村岡安廣(11)キャラメルと鯛焼きと和菓子

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昭和50年の大ヒット曲「およげ!たいやきくん」の意匠の切手。この絵柄が描かれたレコードが450万枚以上をセールスした(日本におけるシングル盤の売上げ1位)。   森永ミルクキャラメルが「黄色い箱」入りになったのは大正3年の大正博覧会での販売がきっかけ。爆発的な人気に、すぐに市販が決まり、大ブームを引き起こした。


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第20回全国菓子大博覧会記念切手。
この菓子博は、昭和59年2月24日から3月12日まで明治神宮外苑絵画館前で開催された。

 平成11年9月22日、20世紀デザイン切手シリーズ第2集に「ミルクキャラメル発売」切手が登場しました。これは大正初年、森永製菓がわが国で初めてミルクキャラメルを発売したことを記念し、20世紀の大きな出来事の一つとして取り上げたものです。
 森永製菓の創業者・森永太一郎は佐賀県伊万里の陶磁器商の家に生まれ、米国にも2度渡り、家業を再興しようとするも叶わず、ベーカリー修業の後、明治32年8月、東京赤坂で菓子屋を開業しました。エンゼルマークと黄色いキャラメルボックスは、陶磁器デザインの優れたセンスに由来するとされています。
 ちなみに平成19年8月6日から日本経済新聞で連載が始まった『望郷の道』は、新高製菓一六軒創業者・森平太郎をモデルとした小説で、作者の北方謙三氏は曽孫にあたります。森永太一郎、森平太郎、そしてグリコの創業者江崎利一がいずれも佐賀県出身で、戦前の4大菓子メーカー(明治、森永、グリコ、新高)のうち3メーカーの創業者が同県出身であったため、佐賀は「キャラメル王国」とも呼ばれていました。
 なお、前述の20世紀デザイン切手シリーズでは第15集で「およげ! たいやきくん」の意匠が登場し、昭和59年2月24日発行の「第20回全国菓子大博覧会記念」切手には「和菓子と茶せん」が描かれていますが、日本では他に菓子切手といえるものはほとんど見あたりません。
 世界中で続々と菓子切手が発行されている中、日本では食をテーマとした切手自体も少数で、今後が期待される分野の一つとなっています。

村岡安廣